2020年10月08日
理研・東大、創発電磁場によるインダクタ原理実証
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学

理化学研究所と東京大学・十倉好紀卓越教授らの研究グループは8日、「創発電磁場」と呼ばれる量子力学的な効果によって生じる実効的な電磁場を用いた、新しいインダクタの原理の実証に成功したと発表した。

同研究成果は、電気機器や電気回路などの小型化に必要な回路素子の一つであるインダクタの微細化に向けた、新原理の構築につながると期待できる。

今回、研究グループは、らせん磁気構造などの非共線的な磁気構造が電流で駆動すると、創発電場によってインダクタンスが生じること、また、このインダクタンスの値は従来のインダクタとは異なり、素子を小さくするにつれて増大することを理論的に明らかにした。

さらに、この理論を実証するために、短周期のらせん磁気構造を持つ物質Gd3 Ru4 Al12(Gd:ガドリニウム、Ru:ルテニウム、Al:アルミニウム)を作製し、インダクタンスを評価した。その結果、らせん磁気構造が電流駆動するとインダクタンスが生じること、その値は素子を小さくするにつれて増大することを実験的に解明した。

このことから、創発電磁場によるインダクタがインダクタの微細化に適していることが示された。

同研究は、科学雑誌「Nature」の掲載に先立ち、オンライン版(日本時間10月8日)に掲載される。


<用語の解説>
◆インダクタ、インダクタンス、ヘンリー
 入力電流の時間変化に比例した電圧を生じさせる回路素子のことを「インダクタ」と呼び、入力した電流と生じた電圧の比例係数を「インダクタンス」と呼ぶ。また、インダクタンスの単位は「ヘンリー」である。1ヘンリーは、1秒間に1アンペアの割合で電流が変化するとき1ボルトの電圧を生じる際のインダクタンスと定義される。
 
 
ニュースリリース参照
https://www.riken.jp/press/2020/20201008_1/index.html