2020年10月09日
住友化学、農薬事業 グローバル体制を強化
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:住友化学

住友化学は9日、バイオラショナル事業強化のため、グループ内の組織体制を改編し、関連する全機能を米国のベーラント・バイオサイエンス社(VBC)に統括させると発表した。また、化学農薬の米国拠点であるベーラントU.S.A.社(VUSA)の本社と研究開発拠点を集約した新施設を開設した。

同社はこれらにより、グループのグローバル農薬関連事業の一層の強化、拡大を図るとともに、サステナブルな農業への貢献を加速する。

住友化学グループの農業関連事業は、化学農薬とバイオラショナルの2本柱で構成される。世界の農薬市場が人口の増加を背景に拡大する中、バイオラショナル製品は、今後とも伸長が見込まれる。

こうした状況を踏まえて、バイオラショナル事業の組織体制を改編した。同事業に関連する全機能をVBCに統括させて同社の独立性を高めることで事業強化を図っていく戦略だ。

具体的には、VBCにバイオラショナル事業のグローバル販売を統括するチーフコマーシャルオフィサー(CCO)のポストを新設し、その下に、各地域のバイオラショナル製品の販売やサービスの提供に特化した組織であるサステナブル・ソリューション・ビジネスユニット(SSBU)を配置する。SSBUは、既にVUSA内に設置している米国に加え、今後、南米および欧州の農薬事業を統括する子会社にも新設する。人員も増強する。

バイオラショナル製品のパイプラインとしては、現在、上市間近な6つの新製品のほか、開発初期・中期のステージでも多くの有望製品をもつ。6つの新製品は、2022年以降に登録を取得後、順次上市する。

化学農薬については、米国カリフォルニア州北部に分散していたVUSAの本社と研究開発拠点を集約した新施設、「ノースアメリカン イノベーションセンター」(NAIC)を、今年8月に同州サンラモンに開設した。すでに、最新鋭の研究開発設備を導入済みだが、引き続き、環境負荷低減を目指した革新的な化学農薬の開発に注力していく。

住友化学は、化学農薬とバイオラショナルの両分野で、サステナブルな農業に貢献する農薬の研究開発を一層推進し、グローバルな販売ネットワークを通じて新たなソリューションを農業生産者に提供していく。また世界的に需要の高まる安全・安心な食料の安定供給に貢献していく方針だ。


ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1602211641.pdf