2020年10月22日
理研など、糖鎖の不均一性を高次化、がん発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所、東京工業大学、日本医療研究開発機構などの共同研究グループは21日、4種類の異なる糖鎖で構成される不均一な糖鎖クラスターを、迅速に秩序よく合成することにより、がんを選択的に認識することに成功したと発表した。

同研究成果は、糖鎖の「パターン認識」機構を用いて、がんを選択的に認識する画期的な診断や、ドラッグデリバリーシステムへの展開につながると期待できる。

生体内で特定のがんを見つけ、即座に治療できる分子の開発は、医療診断分野において最も重要な課題の一つ。

今回、共同研究グループは、独自の「理研クリック反応」による糖鎖導入反応を併用することにより、特定のがん細胞と相互作用する4種類の糖鎖の組み合わせを迅速に最適化する方法を開発した。

タンパク質の表面に秩序よく高次化した「糖鎖の不均一性」により、マウスから取り出した生のがん組織をパターン認識で選択的に見分けることに成功した。

同研究成果は、科学雑誌「Small」のオンライン版(10月20日)に掲載された。


ニュースリリース参照
https://www.riken.jp/press/2020/20201021_1/index.html