2020年10月28日
アステラス薬の腹部蛍光造影剤、FDAが優先審査
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:アステラス製薬

 アステラス製薬は28日、腹部および骨盤内手術時に尿管を可視化する蛍光造影剤(ASP5354)の開発について、米国食品医薬品局(FDA)からファストトラック指定を受けたと発表した。
これにより、手術中に尿管を可視化する新たなアプローチの早期実用化が期待できる。

 ASP5354は、消化器の外科手術や婦人科における子宮摘出手術等、腹部および骨盤内手術の際に、誤って尿管を傷つけてしまう医原性尿管損傷(IUI)のリスクを低減するために開発中蛍光造影剤。
 
 同剤を静脈内に投与すると迅速に尿管へ移行し、ほぼ全てが尿中に排泄される。
 尿管に移行したASP5354の蛍光をNIR-Fカメラを用いて捉えることにより、尿管が可視化され、手術中に尿管の位置を術者が認識することができる。
 
 同剤は、三重大学と名古屋大学が発見した化合物で、同社が全世界における独占的な開発・販売権を取得している。