2020年11月20日
北大・鳥島と尖閣の「アホウドリ」は別種と確認
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学総合博物館の江田真毅准教授らと山階鳥類研究所の研究グループは20日、伊豆諸島鳥島と尖閣諸島に由来する国の特別天然記念物・アホウドリの形態を観察・比較した結果を発表した。

 両地域のアホウドリは遺伝的・生態的な違いから別種の可能性が指摘されてきた。だが、尖閣諸島での調査が困難なために両地域に由来する鳥の形態学的な検討ができず、別種かどうかの結論は保留されていた。

 今回、研究グループは、尖閣諸島から鳥島に移住してきた鳥(尖閣タイプ)と、鳥島生まれの鳥(鳥島タイプ)のくちばしの長さや体重などを計測し、比較した。

 その結果、鳥島タイプの鳥は尖閣タイプの鳥よりからだが大きく、尖閣タイプの鳥のくちばしは相対的に長いことがわかった。本研究の結果、両タイプの鳥は別種とすべきと結論した。絶滅のおそれがある鳥の種内でこのような隠蔽種がみつかったのは世界的にも初となる。

なお、同研究成果は、11月19日にオンライン公開の「Endangered Species Research」誌に掲載された。