2020年11月24日
東大、極薄の計測用スキン圧力センサー開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東京大学

東京大学大学院 工学系研究科の染谷隆夫教授らの研究チームは19日、ミュンヘン工科大学のDavid W. Franklin 教授らと共同で、皮膚に直接貼り付けて使用する極薄のスキン圧力センサーを開発したと発表した。

このセンサーは、4層のナノファイバーで構成され、厚さは12マイクロメートルと極薄。皮膚感覚に影響を与えずに、指がモノに触れたときの接触圧を正確に計測することができる。

18名の被験者を対象に評価試験を行い、スキン圧力センサーを指に貼り付けた場合と貼り付けていない場合で、モノを持ち上げたり保持したりするときの力に差が出ないことを確かめた。

指先にセンサーを貼り付けても皮膚感覚に影響がでないことを実証したのは世界初。
さらに、スキン圧力センサーは、こすっても壊れない優れた機械耐久性を有している。100キロパスカルの力でセンサーの表面を300回こすっても、壊れることなく、圧力センサーとしての性能を維持することを確かめた。

従来のゴム手袋タイプの圧力計測とは異なり、指先の感覚を損なわずに繊細な指先の接触圧を正確に計測できるため、今後、医師や職人の指先のデジタルアーカイブなどさまざまな応用が期待される。

本研究成果は、11月19日(米国時間)に米国科学誌「Science」に掲載される。


ニュースリリース参照
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20201120/pdf/20201120.pdf