2020年11月24日
富士フィルム、シミ原因の角層メカニズム解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:富士フイルム

富士フイルムは24日、皮膚の最上層である角層にメラニンが滞留するメカニズムを解明したと発表した。血行促進効果で知られるマロニエエキスに、肌が生まれ変わるターンオーバーの一環である角層剥離を促進し、角層に滞留したメラニンの排出を促す効果があることをも解明した。

今回、 AI を用いて解析した結果、メラニンの割合が基底層に次いで角層に多いことを実証した。 肌内部でメラニンが増加することにより、角層のターンオーバーが停滞することを確認した。

またメラニンが多く存在する角層では、ターンオーバーを促す細胞接着因子分解酵素「カリクレイン5(KLK 5)」が減少することを見出した。

さらに、マロニエエキスにKLK5 を増加させる作用を見出し、角層が剥がれやすくなることを発見した。

今回研究では、角層に滞留したメラニンを排出するという、これまでの美白ケアとは異なる全く新しいアプローチによって、透明感のある肌へ導くことができる可能性を見出した。同社は今回の研究成果を今後の美白化粧品に応用していく方針だ。

<用語の解説>
◆ 角層剥離 : 古い角層が剥がれること。
◆ カリクレイン5 :細胞接着因子を分解する酵素で、酵素の増加により角層が剥がれやすくなることが知られている。


ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1606184807.pdf