2020年12月02日
北大、鳥類の性分化遺伝子 共通パターン発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

北海道大学大学院 理学研究院の黒岩麻里教授らの研究グループは1日、東京工業大学、東京大学の研究グループと共同で、ニホンウズラの性分化に働く遺伝子群の発現プロファイリングを行った結果、性分化に働く遺伝子には共通した発現パターンがあることを発見したと発表した。

鳥類の性決定・性分化には未解明な点が多く、特に遺伝子研究は大きく遅れを取っているが、その理由の一つに鳥類のモデル動物としてニワトリを使用している点が挙げられる。ニワトリは体が大きく、次の世代の獲得だけでなく研究にも長い時間を要する。

研究グループは今回、小型で性成熟が早いウズラを対象に研究を行った。ウズラの生殖腺を性決定時期、性決定直後、性分化後の3つの発生段階に分けて採取し、発現している遺伝子のメッセンジャーRNAを網羅的に解読したデータを発生段階と雌雄で比較し、プロファイリングした。

プロファイリング結果を確認した結果、性分化に働く遺伝子は共通した発現パターンを示すことがわかった。加えてウズラは鳥類の性分化研究に有用であることが示された。

同研究によって、未解明な点が多い鳥類の性分化研究の進展と、家禽産業への応用への貢献が期待される。

なお,本研究成果は、11月30日公開の「Scientific Reports」誌に掲載された。