2020年12月10日
東工大、窒素施肥が植物のリン酸欠乏ストレス緩和
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東京工業大学

東京工業大学 生命理工学院の太田啓之教授らは9日、理化学研究所、明治大学などと共同で、リン酸が欠乏した状態にある植物に窒素を過剰に施肥すると、リン酸欠乏ストレスが緩和されることを発見したと発表した。

リン酸欠乏下での炭素と窒素の栄養比(C/N比)の増加により誘導されたオートファジーの活性化が重要な役割を担っていることを明らかにした。

研究グループは今回、リン酸欠乏下で生育したシロイヌナズナで起こる著しい生育抑制が、同時に窒素を過剰に与えると軽減されることを発見した。これを解析した結果、生育培地中のリン酸濃度が低下した状態で、窒素に対する炭素(糖)の濃度比を低下させると、葉緑体の一部分解を伴うオートファジーが活性化され、その分解で生じたリン酸がリン酸欠乏下の植物生育を回復させることが明らかになった。

今後、植物生育におけるリン酸、窒素、炭素の栄養バランスがもたらすオートファジー誘導の制御メカニズムを明らかにすることで、新たな栄養欠乏応答のメカニズム解明および栄養欠乏耐性植物の作出方法の開発が期待される。

東京工業大学:ホームページ
https://www.titech.ac.jp/news/2020/048487.html