2020年12月21日
ダイセル子会社、有機半導体で高感度歪みセンサー
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:ダイセル

ダイセルは21日、東大発ベンチャーで子会社のパイクリスタル(本社:千葉県柏市、平井成尚社長)が、このほど東京大学および産業技術総合研究所と共同で、大面積有機半導体単結晶を用いた高感度の歪みセンサーを開発し、その研究成果が「Advanced Science」に掲載されたと発表した。

論文を発表したのは、渡辺峻一郎(東京大学大学院 新領域創成科学研究科物質系専攻 准教授)、平井成尚(パイクリスタル代表取締役)、竹谷純一(東京大学大学院 新領域創成科学研究科物質系専攻 教授)の3氏。

発表のポイントは、以下の3点。
◆有機半導体単結晶膜は簡便な印刷法を用いて大量製造が可能であり、実用化に必要な高い移動度を有している。しかし、分子が弱い相互作用で集合した有機半導体単結晶で電子を安定的に供給するドーピング手法は開発が遅れていた。
◆今回、有機半導体単結晶薄膜とドーパント溶液を接触させるだけの簡易な手法を用いて、有機半導体表面に非破壊で高密度に二次元電子系を形成することに成功した。
◆有機半導体単結晶が本質的に有する高い歪み応答性を維持したまま、デバイスの低抵抗化が可能となり、従来の金属製歪みセンサーの10倍程度の感度を有する歪みセンサーの開発に成功した。

<ニュースリリース参照>
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1608538638.pdf

なお、パイクリスタルは東京大学の竹谷純一教授が2013年設立した東京大学発ベンチャー会社。2020年1月にダイセルが同社の株式を取得し子会社化した。 http://pi-crystal.com/ja/