2002年03月18日
住友化学の導光板新成形技術に引き合い活発
低圧・印刷レス加工等による経済性が注目される
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学工業が開発に成功したメタクリル樹脂製厚肉大型導光板の新成形技術(SLG成形法)が内外の導光板加工メーカーやバックライトメーカーの間で注目され、活発な引き合いが寄せられている。住友化学では、早ければ月内にもこうしたいくつかのユーザーとの間で技術供与契約を結ぶことになりそう。これが普及すれば、PMMA(メタクリル樹脂)によるLCDバックライト用導光板の需要拡大が一段と加速されることになろう。
 
 住友化学が今回開発したSLG成形法(Sumitomo Light Guide成形法)は、PMMAを独特の方法によって低コストでLCDのバックライト用厚肉大型導光板に射出成形するというもの。
 この技術の大きな特徴は、(1)従来の射出成形法では困難であった厚肉大型導光板の成形が低圧(従来の約2分の1の35メガパスカル)で容易にできること(2)通常の射出成形機の簡単な改造で2倍の投影面積の製品が成形できること(3)一般の成形方法に比べヒケや成形ひずみや黄変が少なく、品質が安定すること(4)金型の転写性が極めて良好なので、光を反射させるためのドットの印刷レス化(印刷の不要化)が容易になること--の4点にある。2倍の投影面積の製品が成形できるので、型締力450トンの射出成形機で15インチ導光板の2個取りも可能という。
 同社では、こうした点から、従来の手法にかかるコストを20~30パーセント合理化できると説明している。
 
 同社では、このSLG成形法の実施権を国の内外のバックライトメーカーや導光板加工メーカーに供与していくことによって、PMMA成形材料(商品名・スミペックス)の販売量を一気に拡大する考え。02年度には3,500トンを、さらに03年度には4,000トンを拡販して同年度の総販売量を昨年の2.5倍の6,500トンまで引き上げることにしている。