2021年01月27日
産総研、虹色発光標識のポートフォリオ開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所と電気通信大学の牧 昌次郎 准教授(基盤理工学専攻)らの研究グループは26日、医療・環境診断や生体イメージングに適用するため、全可視光領域で発光する「虹色発光標識のポートフォリオ」を共同開発したと発表した。

医療・環境診断の分野では、バイオマーカーを検出するための発光標識の多色化は、長年の課題だった。

今回、産総研独自の人工生物発光酵素(ALucR)やウミシイタケ発光酵素などの海洋生物由来の発光酵素と、電通大独自の発光基質を組み合わせて、赤から青まで全可視光領域にわたって選択的に発光する虹色発光標識のポートフォリオを開発した。

生物発光によるマルチカラーイメージングや網羅的な健康診断などに使用可能となる。

開発した「虹色発光標識のポートフォリオ」は、一つのサンプルに対して網羅的な健康診断や同時イメージングができる。例えば、インフルエンザや新型コロナウイルス診断キットの発光標識、癌のイメージング、化学物質の毒性評価などを同時測定できる基盤技術であり、医療・環境診断分野の発光標識のポートフォリオとして広い用途が期待される。

同技術の詳細は、2021年1月26日(英国時間)にScientific Reportsに掲載された。