2021年03月03日
三洋化成、ABS樹脂の耐薬品性向上 添加剤開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三洋化成

三洋化成工業は3日、ABS樹脂に少量添加するだけで樹脂の耐薬品性を付与する樹脂添加剤「ファンクティブ」を開発したと発表した。自動車、家電、建材など幅広い用途をもつ同樹脂のさらなる用途拡大に貢献する。

ABS樹脂は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンの共重合樹脂で、「耐衝撃性」と「剛性」のバランスに優れるという特性をもつ。汎用樹脂として成形性、作業性がよく比較的安価でコストパフォーマンスにも優れる。

だが、非結晶性樹脂のため、PPやPE、ナイロンなどの結晶性樹脂に比べると耐薬品性が劣る。

同社は今回、独自の界面制御技術と高分子設計・合成技術、さらに樹脂改質剤の知見を活かして、同樹脂の耐薬品性を向上させる樹脂添加剤「ファンクティブ」を開発した。

ABS 樹脂は溶剤などの薬品に接触すると、外観が劣化したり、クラックが発生しやすい。 「ファンクティブ」は同樹脂に少量添加するだけで、樹脂の耐薬品性を向上させることができる。

添加量が少いため、機械物性にはほとんど影響を与えない。難燃ABSやガラス繊維・炭素繊維強化ABS、ポリカーボネート(PC)との複合樹脂PC/ABS など、高機能グレードに対しても耐薬品性を改善することができる。これによって今後適用範囲を広げ、用途の拡大に貢献できる。


ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1614746276.pdf