2021年03月11日
理研、世界最薄レベルの超薄板ガラス 作成法開発
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理化学研究所は10日、ガラスシートを加熱延伸することで、厚みが約3マイクロメートルの超薄板ガラスの作製法を開発したと発表した。

今後、ガラス製マイクロ流体デバイスの高度化、ディスプレイ材、光学材料、封止材などさまざまな分野への応用が期待できる。

ガラスは、建築材、電子機器、医療用品など、さまざまな製品に古くから利用されている。物理的・化学的に極めて安定しており、長期間変形や変色しにくい、絶縁性や気密性に優れるなどの長所をもつ。

ガラスは、厚みを10μmよりも薄くすれば、柔軟性が著しく向上する。こうした薄いガラスは従来、ガラス軟化点(塑性変形可能な温度)よりも高温に加熱したガラスを引き延ばして作製されてきた。だが、ガラスの粘性のため、薄型化には限界があった。

このためプラスチックのように大きな変形が必要な場合や軽量小型の機器には不向きだった。


今回、研究チームは、真空炉の中で、重りを付けたガラスをガラス軟化点よりも低温に加熱し、時間をかけて延伸することで、世界最薄レベルの超薄板ガラスの作製に成功した。さらに、その超薄板ガラスが圧力センサーに応用できることを示した。

同研究は、科学雑誌「Sensors and Actuators A: Physical」オンライン版(2月16日付)に掲載された。


ニュースリリース参照
https://www.riken.jp/press/2021/20210310_2/index.html