2021年03月16日

富士フ、再生医療ベンチャーのクオリプスに出資

【カテゴリー】：行政/団体 【関連企業・団体】：富士フイルム

富士フイルムは16日、iPS細胞を用いた心不全の治療法の実用化を目指す再生医療ベンチャーのクオリプス（東京都中央区、草薙尊之社長）と、同社の第三者割当増資を引き受け1億円を出資する契約を締結したと発表した。また、クオリプス社が開発中の米国でのプロセス開発・製造受託に関する業務についても提携契約した。 心不全は、血液を全身に送り出す心臓機能が十分に働かず、呼吸困難などの症状が生じることで、虚血性心筋症などの心疾患により引き起こされる。現在、治療法として投薬が行われるが、根治が難しく、入退院を繰り返し、重症化していくケースが多い。 また、重症化した場合には心臓移植が行われるが、十分な数のドナーの確保が困難などの課題がある。 クオリプス社は、大阪大学発の再生医療ベンチャーで、同大学心臓血管外科学の澤芳樹教授らが開発した他家iPS細胞由来心筋細胞シートの事業化を目的として2017年3月に設立された。 現在、クオリプス社は、阪大が実施する、他家iPS細胞由来心筋細胞シートの医師主導治験を支援している。また、細胞シートの商業生産など供給体制の整備も進めている。 今回富士フイルムは、クオリプス社との連携を通じてビジネス拡大を図るため出資した。また同社の他家iPS細胞由来心筋細胞シートのプロセス開発・製造を米国で受託するための優先交渉権を獲得した。 今後、富士フイルムは米国子会社で、iPS細胞の開発・製造を展開するFUJIFILM Cellular Dynamics（ FCDI）が有する、治療用iPS細胞の製造施設（cGMP対応）を活用して、細胞治療薬など再生医療製品の開発・製造受託ビジネスを拡大していく方針だ。 富士フイルム 再生医療ベンチャーのクオリプス社へ出資 https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1615877702.pdf Fujifilm invests in a biotech venture, Cuorips https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1615877702.pdf