2021年03月19日
「第7回 日化協LRI賞」に川崎医大の西村准教授
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 日本化学工業協会は19日、第7回日化協LRI賞の受賞者に、石綿(アスベスト)の健康障害に関する研究で功績をあげた、川崎医科大学の西村泰光准教授(衛生学)が決まったと発表した。

 受賞テーマは「悪性中皮腫発症に関わる石綿曝露が及ぼす免疫抑制影響の解析」。

 アスベストは日本や欧米ではすでに全面的に使用が禁止されているが、中国やインドなどのアジア諸国やロシアではまだ大量に使用されている。

 西村准教授はこれまで一環して、リンパ球各細胞集団への石綿曝露影響および悪性中皮腫患者の末梢血リンパ球機能の解析に取り組み、これらの特徴的な機能変化を明らかにした。これによって、従来、石綿の発がん性のみから説明されてきた悪性中皮腫発症機序に“石綿曝露の免疫抑制作用”の作用点が新たに書き加えられ、アスベストによる悪性中皮腫発症の理解促進に大きく貢献した。

日化協のLRI賞は“化学物質が人の健康や環境に与える影響”で優れた業績をあげた研究者を長期的に支援する自主的な活動で、世界をリードするような新しい研究分野の発掘をめざしている。2000年から年間1億円規模の研究支援を行っている。

※1 Long-range Research Initiative=長期自主研究活動