2021年03月25日
三洋化など3社「潰瘍性大腸炎」向け体外診断薬 発売
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:三洋化成

 三洋化成、持田製薬(東京都新宿区)、日水製薬(東京都台東区)の3社は25日、国の難病に指定されている「潰瘍性大腸炎」の病態把握補助を目的とした体外診断用医薬品「カルプロテクチン POCT モチダ」を発売したと発表した。

 同剤は、イムノクロマト法を用いたカルプロテクチンの体外診断用医薬品。イムノクロマト法とは、毛細管現象と抗原抗体反応を利用した検出方法のことで、小型専用測定装置(別売)を使い、簡便、短時間(12分)で1検体ずつ測定ができる。

 潰瘍性大腸炎の患者は全国で16万人以上と多い。ふつうの内視鏡検査だと半日かかる上、体内にスコープを挿入するため患者にとって身体的・経済的負担が大きい。

 三洋化成は2016年に「潰瘍性大腸炎の病態把握の補助」を目的とするELISA法を用いたカルプロテクチンの製造販売承認を国内で初めて取得した。2017年から持田製薬が「カルプロテクチン モチダ」として主に臨床検査センターへ販売してきたが、臨床検査センターでは検体を集約して測定するため、結果が得られるまでに1週間程度かかっていた。

 今回、「カルプロテクチン POCT モチダ」となり、臨床検査センターだけでなく、クリニックなど多くの医療機関で簡便に使用できるようになった。潰瘍性大腸炎患者の早期診断・早期治療に貢献できるとしている。製造は三洋化成、医療機関への販売プロモーションは持田製薬、販売は日水製薬が担当する。

<ニュースリリース参照>
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1616662627.pdf