2021年04月09日
理研、肝臓再生の開始と停止の鍵を握る刺激 解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所 生命機能科学研究センターの辻孝チームリーダーらの研究チームは8日、肝臓の損傷によって生じる機械的な刺激(血流速度の変化)が肝臓再生の開始と停止に関与することを明らかにしたと発表した。

肝臓の再生など基礎的研究に貢献する研究成果であり、将来の人工的な三次元立体器官の実現に向けた技術開発への応用が期待できるとしている。

器官形成と再生は、発生過程において重要で、形態形成、器官サイズや機能の制御は全身の恒常性の発現に深く関与している。肝臓は高い再生能力を備え、3分の2を切除しても元の大きさに戻ることができる。しかし、肝臓がどのように再生を開始し、適切なサイズで再生を停止するかのメカニズムについてはまだ不明な点が多い。

今回、研究チームは、肝臓の機能単位である肝小葉内の類洞(るいどう)と呼ばれる毛細血管系の空間的配置を三次元的なネットワークとして分析し、その特徴的なパラメータの変動を肝臓の静止期と肝部分切除後の再生期で比較した。

その結果、類洞の細胞が切除後の血流速度の変動を機械的刺激として感知し、サイトカインネットワークと協調することで、肝臓再生の開始と停止の両方に不可欠な役割を果たすことを明らかにした。

同研究は、オンライン科学雑誌「Communications Biology」(4月7日付)に掲載された。


ニュースリリース参照
https://www.riken.jp/press/2021/20210408_3/index.html