2021年04月09日
名古屋大、赤キャベツから青色天然着色料 発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:名古屋大学

名古屋大学の吉田久美教授(情報学研究科)らは8日、赤キャベツのアントシアニンから青色天然着色料を発見したと発表した。合成タール系青色1号に代わると期待できるという。

食品着色料は色・種類とも多いが、青色だけは天然色素による安定な発色が困難で、合成色素(青色1号)が使われてきた。また青色着色料は黄色と混ざると緑色に変色する。このため天然由来の安全な青色着色料が切望されてきた。

赤キャベツのアントシアニンはこれまでも赤色や紫色の食品着色料として使われてきた。
だが成分は10種以上の色素混合物であり、透き通った青色を発色させることはできなかった。

今回、赤キャベツから青色1号とほぼ一致する色の安定した色素を発見した。同時にこの色素の化学構造と発色機構を機器分析と計算科学で解明した。青色1号と遜色のない色が得られた。赤キャベツからこの色素だけを大量に調整する方法も開発した。産業利用可能な極めて有望な青色天然着色料であることが分かった。

同研究成果は4月7日付(日本時間8日)「Science Advances」オンライン版に掲載された。


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