2021年04月14日
横浜ゴム、バイオマスからブタジエン生成・世界初
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横浜ゴムは13日、理化学研究所、日本ゼオンと共同設置した「バイオモノマー生産研究チーム」が、バイオマスから効率的にブタジエンを生成できる世界初技術を開発したと発表した。ブタジエンは自動車タイヤなどの原料として使われる合成ゴムの主原料で、現在、ナフサ熱分解の副生成物としてに生産されているが、同技術が実用化できれば、石油への依存度が低減でき、CO2削減にも寄与できるといている。

今回、研究チームは新しい人工経路と酵素で優れたブタジエン生成能を持つ細胞の創製に成功した。これにより、これまでの代謝経路に比べ、より安価な中間体を経ることが可能になったほか、これまで開発してきた酵素の知見を取り入れることでブタジエンの発酵生産でのコストを大幅に削減することが期待できる。

同成果は、ロンドンにあるオンライン専用ジャーナル「Nature Communications」に4月13日午後7時(日本時間)に掲載される予定。また、本技術によって世界初の発酵生産により生成したブタジエンを用いてブタジエンゴムを得ることにも成功した。

「バイオモノマー生産研究チーム」は同じく合成ゴムの主原料であるイソプレンについても、2018年に世界初となる新しい人工経路の構築と高活性酵素の作成により優れたイソプレン生成能を持つ細胞を創製。この細胞内で出発原料であるバイオマスからイソプレン生成までを一貫して行うことに成功している。

横浜ゴム、理研(環境資源科学研究センター(CSRS))、日本ゼオンは2013年から共同研究を進めていた。「バイオモノマー生産研究チーム」は、2020年4月に理研内に設置され、社会実装に向けた研究を加速させるため理研の「産業界との融合的連携研究制度」を利用している。

今後、さらに高生産酵素と効率的な精製技術確立に向けて3者の知見・技術を有機的に融合して研究を進めるとしている。


ニュースリリース参照
https://www.y-yokohama.com/release/pdf/2021041319mg001.pdf