2021年05月19日
東北大・北大、感染症へ下水監視システム研究
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学大学院 工学研究科の佐野大輔教授らの研究グループは19日、北海道大学、仙台市および上下水道事業会社の日水コン(本社:東京都新宿区、間山 一典社長)などと共同で都市下水に含まれる疫学情報をリアルタイムに取り出し、地域コミュニティの健康情報として活用し、下水処理の運転制御に役立てるシステムの開発に着手したと発表した。

都市下水中の感染症関連バイオマーカーをリアルタイムにモニタリングし、新型コロナウイルスなどの市中での感染症罹患者数と下水中病原体濃度を予測する統計モデルを構築する。

また、感染症罹患者数の予測情報を社会に感染症流行情報として発信し、下水中病原体濃度予測情報を下水処理場における消毒事業に活用する。さまざまな感染症に適応可能な社会実現を目指す。

わが国の新型コロナウイルスの感染収束はまだ見通せていないが、ウイルスの脅威は、ほかにもインフルエンザ、ノロ、デング等があり、感染症流行の予測や早期対応が求められている。


今回研究では、東北大学が下水水質解析やモデルの構築・検証を行い、北海道大学はバイオマーカーセンサーの開発を担う。日水コンはモデル実証実験を支援する。ほかにもユニアデックスや三機工業、明電舎などがバイオマーカー測定装置試作で参加する。