2021年06月02日
北大、簡便に発光ポリマーを調整する新手法 開発
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北海道大学大学院工学研究院の伊藤肇教授らの研究グループはこのほど、機械的刺激によってポリスチレンなどの汎用ポリマー材料に発光機能を付与する新しい方法を開発したと発表した。

発光機能をもつポリマー材料はすでに幅広く利用されているが、調製には多段階の合成ステップが必要なため簡便な合成法の開発が望まれていた。

今回、研究グループは、複雑な多段階の化学合成を必要とせず、さまざまな種類の発光ポリマーを簡便に作成することに成功した。まず、ポリスチレンとターンオン型蛍光ラジカル反応剤をボールミル中で攪拌すると、青く発光するポリマーが得られることを見出した。次に種々の光学測定、GPC測定やNMR測定測定などによって、蛍光分子がポリマー主鎖に導入されていることを確かめた。

この方法は、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホンなどにも適用でき、対応する発光ポリマーを簡便に調製できる。

これにより、複雑な有機合成化学的手法を用いず、簡便に発光ポリマーを調製することが可能となった。
同技術を発展させることで、発光性に限らずさまざまな機能を汎用ポリマーに付与できる可能性もでてきた。
また機械的刺激に応答性を示すポリマー材料やセンサー材料の開発への応用も期待できる。

同研究成果は5月14日付のドイツ化学会誌「 Angewandte Chemie International Edition」に掲載 された 。


ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/210531_pr.pdf