2021年06月08日
山梨県、東レなど「グリーン水素」試運転開始
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

 山梨県、東レ、東京電力ホールディングスおよび変圧器などを製造する東光高岳(本社:東京都江東区、武部俊郎社長)は7日、甲府市米倉山(こめくらやま)の電力貯蔵技術研究サイトで、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業である再生エネルギーでグリーン水素を製造し、化石燃料の利用を低減させる「H2-YES」(エイチ・ツー・イエス)プロジェクト、P2G(パワー・ツー・ガス)システムが試運転を開始したと発表した。

P2Gシステムは、水の電気分解から水素を製造する技術で、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みの一つとして期待されている。メガソーラーの変動する電力と、大型の固体高分子型水電解装置により水道水から水素をつくり出し、水素吸蔵合金システムに水素を貯蔵する。安全・安心にグリーン水素を利用できるシステムとして注目されている。

 試運転は本年秋頃までの予定。水素の製造と貯蔵の試験を行いながら、山梨県内の工場やスーパーマーケットへ輸送し利用する一貫したシステムを開発する。全国初の試み。

 今後は、段階的に水素の製造量を増加させ、年内をめどに「1時間あたり300Nm3、年間45万Nm3」の水素による本格的な実証試験へ移行していく計画だ。