2021年06月09日
東北大、タンパク質の液ー液相分離現象 評価法開発
【カテゴリー】:行政/団体
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 筋萎縮性側索硬化症やアルツハイマー病などの神経変性疾患では、原因タンパク質の線維化が発症原因として提案されている。この線維化については、液ー液相分離と呼ばれる現象によって生じたタンパク質の濃厚液滴から形成されることが提案され、液滴をターゲットとした創薬研究も進められている。

 東北大学大学院薬学研究科の中林孝和教授らは9日、神経変性疾患の発症との関連が指摘されているタンパク質の液ー液相分離現象を評価する技術を開発したと発表した。

 研究にはラマン顕微鏡と呼ばれる装置を用い、タンパク質の単一液滴を定量解析できる手法を提案した。

 この方法を用いて神経変性疾患であるマチャド・ジョセフ病関連タンパク質の液滴の観測を行い、液滴内のタンパク質の構造、濃度、さらに構成成分を単一液滴の状態でその場で評価することに成功した。ラマン顕微鏡がタンパク質液滴を調べる一般的な手法になり得ると考えられる。

 同研究成果は、英国王立化学会誌「Chemical Science」に6月7日に掲載された。


ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20210609_02web_llps.pdf