2021年06月29日
フタムラ化学、再生資源で植物樹脂フィルム製造
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:フタムラ化学

 フタムラ化学(本社:名古屋市、長江泰雄社長)は29日、植物油廃棄物などの再生可能資源を用いたマスバランス(物質収支)方式によるバイオマスプラスチックを原料に食品包装フィルムを製造すると発表した。近く欧州の認証規格である ISCC(国際持続可能性カーボン)認証も取得できる見通し。

 原料樹脂にバイオマスポリプロピレンを投入し、名古屋工場(愛知県海部郡)で食品包装フィルム業界では国内初となるバイオマス OPP フィルムの製造を開始する。

 バイオマスポリプロピレンは、植物油廃棄物などの非可食油からバイオ・ナフサやバイオ・プロパンを精製し、既存の石油由来原料と混合することで生産される。原料の割合は、国際的なマスバランス方式に基づき、任意の濃度で製造することができる。同社は原料の濃度・品質に応じて幅広い分野に用途展開していく方針だ。

 フタムラ化学はこの植物性樹脂を原料にしたフィルムの品質について、OPPフィルムなど石油由来の従来製品と比較しても透明性や耐水性、強度などの基本物性は殆ど変わらず、製品も安定的に製造・供給することができる。わが国のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みに貢献できるとしている。