2021年07月05日
ダイセル、こんにゃく由来セラミド 効果確認
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 ダイセルは5日、北海道大学および北海道情報大学(北海道江別市)との共同研究によって、同社が開発した健康食品素材である「こんにゃく由来グルコシルセラミド」の摂取が、ヒト脳内アミロイドβ蓄積を予防し、アルツハイマー病などによる認知機能の低下を抑制・維持する効果があることを確認したと発表した。

 同研究成果は、7月3~4日に開催された「第75回 日本栄養・食糧学会大会」で発表し関心を呼んだ。

 アルツハイマー病などの認知機能の低下を引き起こす進行性の疾患は、アミロイドβと呼ばれるタンパク質が脳
細胞外に蓄積することが原因とされている。これまでは、こんにゃく由来グルコシルセラミドをアルツハイマー病モデルマウスに経口投与することで、神経由来エクソソームが増加し、脳内アミロイドβの蓄積が抑制されることが明らかになっていた。

 今回、ヒトが経口摂取した場合の効果を検証するため、北海道大学、北海道情報大学の両校と共同でプラセボ対照ランダム化二重盲検試験を実施した。


■研究の内容と結果
 試験期間を24週間とし、60歳~80歳の被験者20名(平均70.1歳)をプラセボ食品群10名と被験食品群10名に構成し、プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験を行った。

 それぞれの群にプラセボ食品またこんにゃく由来グルコシルセラミド5.4mgを含む被験食品を摂取してもらい、0週、12週、24週に血中アミロイドβバイオマーカー値を測定した。被験食品群において、0週目との比較で12週目に有意な低値を示した。さらに解析したところ、アミロイドβバイオマーカー値が相対的に低めの集団では、摂取12週後、24週後に被験食品群の変化量がプラセボ食品群より有意に低値を示した。


■今後の研究開発について
今後、さらなるヒト介入試験を進め、認知機能分野における機能性素材の開発に取り組む。人々の健康長寿に役
立つ製品を提供していく方針だ。


ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1625466912.pdf