2021年07月26日
北大、ショウジョウバエ食性に独立2系統確認
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

北海道大学大学院の加藤 徹准教授(理学研究院)らの研究グループは、キノコ食のショウジョウバエの分子系統学的解析を行った結果、キノコ食ショウジョウバエは独立した二つの系統にわかれ、食性の進化過程がそれぞれ異なることを見出した都発表した。

ショウジョウバエ科は4,000種以上が知られ、食性も樹液食、果物食、草本食、キノコ食と多岐にわたる。そのうちキノコ食では、Hirtodrosophila属、Mycodrosophila属、Zygothrica属、及びDrosophila亜属のquinaria種群とよばれるグループがとくに有名だ。しかしこれらのキノコ食ショウジョウバエが、どのような進化の過程を経てキノコ食の形質を獲得したかは不明だった。

本研究は、これらのキノコ食ショウジョウバエを対象にDNA情報を用いて系統関係を推定するとともに、彼らの祖先がどのような食性だったかを推定した。

その結果、Hirtodrosophila属、Mycodrosophila属、Zygothrica属の共通祖先では、果実食からキノコ食の「専門家」に食性が特化した一方、Drosophila亜属の祖先では、果実に加えキノコも利用する「何でも屋」に食性が拡大したと推定された。

なお同研究成果は、7月10日公開の「Molecular Phylogenetics and Evolution」誌に掲載された。


ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/2021/07/post-878.html