2021年07月27日
宮崎大など、脳の萎縮のメカニズムを解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

 宮崎大学、東京大学、東邦大学、 富山大学、理化学研究所などの研究グループは、老化や脳神経疾患などで起こる、脳の萎縮に関係する新しいメカニズムを世界で初めて明らかにしたと発表した。この研究成果は、将来、脳神経疾患の病態改善に繋がる可能性がある。

 超高齢化社会を迎えた我が国では認知症、パーキンソン病などの脳神経疾患として脳の萎縮が認められている。これまで脳萎縮の原因は、神経細胞の脱落(細胞死)と考えられてきた。しかし、神経細胞死だけでは、脳体積の減少を説明できなかった。
 
 一方、脳神経疾患の状態にある「病態脳」では、多くの場合、神経細胞内の細胞小器官の一つである小胞体ストレスが示されてきた。脳萎縮の原因として脳内コレステロール合成不全を発見した。
 
 そこで、マウスを用いて脳内で小胞体ストレスを誘導する動物モデルを作製し、脳萎縮の分子メカニズムを解明した。

 今後は、脳神経疾患に広く共通する脳萎縮の回復を目指す創薬が期待される。
 同研究成果は7月23日付で米国Cell Pressの学術誌雑誌「iScience」に掲載された。


宮崎大学 ホームページ:
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