2021年07月30日
千代田、水素輸入で国際サプライチェーン構築
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:千代田化工建設

 千代田化工建設は30日、オランダのロッテルダム港湾公社(POR)、港湾管理のクーレターミナル(Koole)社、および三菱商事と4社で、水素輸送に関する国際サプライチェーンの構築で共同調査していくことで合意し、覚書を交わしたと発表した。千代田化工が有する水素貯蔵・輸送技術(SPERA水素)を活用する。

 PORはこれまあでも水素の取り扱いに積極的で、2050年までに年間2,000万トンの水素をロッテルダム港で取り扱うなどを内容とした水素マスタープランを公表済み。2025年には10万~25万トンの水素を取り扱う計画だ。この中で千代田の水素貯蔵・輸送技術(SPERA 水素)が重要な役割を果たすことが期待され、今回の覚書となった。

 4社は欧州の長期CO2排出量削減に応えて、競争力のある持続可能な未来に向けた水素の輸入と利用を進める事業の実現を目指す。

 SPERA水素とは、千代田が開発した液化有機水素キャリア(LOHC) を利用した水素輸送・貯蔵技術で、水素キャリアとしてメチルシクロヘキサン(MCH)を利用する。同技術により2020年12月にブルネイ・ダルサラームと日本を結ぶ世界初の「国際間水素サプライチェーン実証」を実現した。

 MCHは常温常圧で取り扱え、既存の石化製品のインフラ設備や規格が最大限活用できるため投資負担を抑えることができるなどの利点がある。


ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1627612976.pdf