2021年11月24日
東北大、ソフトロボットの運動再現性を向上
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 人工筋肉などの分野でソフトアクチュエータが注目されているが、精確な制御が難しいという特徴があり、特に、ソフトアクチュエータをシリコン素材から手作業で制作する際に発生する材料変形特性の個体差は制御性能の低下を招き、入力が同じでも微妙に異なる変形結果となることが知られている。

 これまでは、このような問題に対しフィードバック制御などが採用されてきたが、応答の時間遅れが大きいソフトアクチュエータに対する応用は難しいという課題があった。

 東北大学工学研究科の林部充宏教授らの研究グループは今回、そのような応答遅れの大きいソフトアクチュエータに対するフィードフォワード学習制御手法を提案した。
 
 反復学習制御とニューラルネットワークを組み合わせた学習制御手法を用いることで、ソフトアクチュエータの動的変形特性を考慮した個体差補償と一般化された軌道に対する高い制御精度を実現した。この成果は、ソフトロボットの欠点を補い課題であった運動再現性の確保につながり、その実用化への貢献が期待できる。

本成果は、2021年11月2日付で学術誌「Bioinspiration & Biomimetics」に掲載された。


ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20211118_01web_robot.pdf