2022年01月11日
富士フィルム、温度差刺激で肌荒れが生じる一因 解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:富士フイルム

富士フイルムは11日、湿度の低下による刺激(湿度差刺激)で肌荒れが生じる一因を解明したと発表した。またチャ葉エキスに角層中の重要なバリア関連因子であるアシルセラミド産生酵素の発現促進効果を見出した。

同社は今回の研究成果として、次の3点をあげた
(1)3 次元皮膚モデル(表皮モデル)を任意の湿度および時間で培養可能な湿度制御培養装置を開発した。
(2)湿度制御培養装置を用い表皮モデルに湿度差刺激を与えた結果、角層水分量とバリア機能が低下することを実証した。またアシルセラミドの産生に重要な酵素「ELOVL4」が減少することを発見した。
(3)チャ葉エキスに ELOVL4 の発現促進効果を見出した。

湿度差刺激を受けた肌は敏感になり、炎症を生じやすくなる。今回研究では、肌のバリア機能に重要なアシルセラミドの産生を補うことで「刺激にゆるがない肌」へ導く新しいスキンケアの可能性を見出した。
同社は今回の研究成果を今後の化粧品開発に応用していく方針だ。

なお同研究成果は、3月25日から名古屋国際会議場で開催される「日本薬学会 第 142 年会」で発表の予定。

<用語の解説>
◆「ELOVL4」とは :
アシルセラミドの産生に関わる酵素の一つ。Elongation of Very Long chain fatty acids protein 4の略称。


ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1641874697.pdf