2022年01月12日
京大、早産児の注意の切り替えの弱さで新事実 解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 京都大学の明和政子 教育学研究科教授らの研究グループはこのほど、修正齢12カ月の早産児と満期産児を対象に、アイトラッカーを用いた注意機能評価テストを実施した結果、修正齢12カ月時点において、一部の早産児には注意を切り替える機能に弱さを抱え、さらにその機能が弱いほど、18カ月時点の認知機能や、注意の切り替えが必要な日常場面で困難を抱えやすい、という新たな事実を見出したと発表した。

 日本では近年、早産児の出生率が高まっている。欧米の大規模コホート調査から、早産児では学齢期以降に注意欠如・多動症(ADHD)などの発達障害と診断されるリスクが満期産児と比べて高いことが示されている。しかし、早産児で注意に関わる問題のリスクが乳児期の時点で特定できるかどうかについては解明されていなかった。

 本研究の成果により、早産児の一部で注意の切り替えの弱さが乳児期からすでに観られること、さらに、その後の認知機能や注意機能の発達の問題に関わるリスクを評価する発達早期の行動指標の一つとなる可能性が示された。

 本研究成果は22年1月10日に、国際学術誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載された。

<用語の解説>
◆早産児とは:在胎週数(妊娠前の最終月経から出生までの期間)が37 週未満の児

ニュースリリース参照
https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2022-01/20220110-myowa-391919f67b4311e65871961482564eab.pdf