2022年01月19日
東大、「ビタミンC を脳に届ける運び屋」を発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学

 東京大学薬学部の宮田大資 助教らの研究グループはこのほど、「ビタミンC を脳に届ける運び屋」を発見したと発表した。

 ビタミンCは、人の生存に必須な栄養素の一つだが、体内でこれを作ることができないため、食べものから摂取する必要がある。ところが、からだの隅々にビタミンCを行き渡らせる仕組みの全容は不明だった。
 
 特に脳は、ビタミンC を豊富に含む臓器でありながらバリア組織を形成する細胞によって血液と隔てられているため、血液からその細胞内に取り込んだビタミンC を脳側へと排出する分子機構が存在するはずだが、その分子の実体は長年にわたって同定されていなかった。

 研究グループは、培養細胞や遺伝子欠損マウスを用いた実験から、膜輸送体の一つであるSLC 2A12 トランスポーターが血液から脳へのビタミンC 供給に重要な役割を果たすことを見いだし、「ビタミンC 排出タンパク質:VCEP」と名付けた。これまで、ビタミンC 輸送体については取り込み型しか知られていなかったが、この発見は、細胞内から細胞外への輸送を担う排出型輸送体を世界で初めて同定したものでもあり、生理学の発展にも貢献する成果と考えられる。
 研究は日本学術振興会の支援を得て行われた。1月14日、米国科学雑誌「iScience 」に発表された。

ニュースリリース参照
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2022/01/14/release_20220114.pdf