2022年02月24日
熊本大、大気中のアミン類を採取・分析 手法を開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:熊本大学

 熊本大学大学院 先端科学研究部の戸田敬教授の研究グループはこのほど、大気中に含まれるアミン類を採取・分析する手法を開発し、春から初夏の森にアミノ基を2個分子内に持つジアミン類が存在し、大気粒子の形成に携わっていることを明らかにしたと発表した。
 
 アミンはごく微量でも大気粒子をつくるきっかけになるとして近年注目されている、これまでは腐敗や工業的に排出されるモノアミン類(アミノ基を1個持つ)が大気アミンとして扱われてきた。
 
 今回研究グループは、広葉樹林帯の森林大気中に2個のアミノ基を持つジアミン化合物やアミノアミド化合物が多く存在していることを見出した。また水分子などとの結合エネルギーのシミュレーションから、粒子形成に寄与するポテンシャルは、モノアミン類よりはるかに高いことがわかった。

 このことから、日本の国土の3分の2を占める森林で生成される化合物の大気環境影響へのインパクトが示された。同研究成果は2月17日、米国の科学雑誌「ACS Earth and Space Chemistry」に掲載。
 
ニュースリリース参照
https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2021-file/release220217.pdf