2022年03月15日
コベストロ、温室効果ガス排出ゼロ達成に意欲
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:コベストロジャパン

 コベストロジャパンは15日、カーボンニュートラル実現に向けて、2020年560万トンだった温室効果ガス排出量を2030年までに60%削減し、220万トンにすると発表した。原料から最終製品までのバリューチェーン全工程にわたり温室効果ガス排出量をさらに削減していく方針だ。そのため、以下のような取り組みを行うとしている。

(1)生産工程をさらに改善し、エネルギー効率を高めることでより持続可能なものづくりを実現する。そのひとつは亜酸化窒素(N2O)の排出量削減で、革新的な触媒技術の利用拡大により可能にする。また、設備のさらなるデジタル化やデジタル技術の活用により、生産工場をより効率的に制御し、デジタルシミュレーションにより工程を最適化する。

(2)世界各地の生産拠点を順次再生可能エネルギーによる電力に切り替える。例えば、エネルギー供給会社であるオーステッド社との供給契約により、2025 年以降、ドイツの生産拠点で必要とされる電力の10%は洋上風力発電でまかなう。陸上風力発電も利用する。すでにENGIE との電力購入契約では、ベルギーのアントワープの生産拠点で必要な電力の 45%を賄うことになっている。中国・上海でも電力需要の約 10%は、大唐呉中新能源有限公司の太陽光発電パークから供給されている。

(3)スチームは化学品の生産工程で重要なエネルギー源だが、このスチームのソースを化石エネルギー源から再生可能エネルギー源に転換することも課題となる。再生可能なスチームを発生させるエネルギー源として、バイオガスやグリーン天然ガスの利用を検討している。また、グリーン水素やグリーンアンモニア、グリーン電力もスチーム生成のためのエネルギー源として利用できる。

(4)また今回、新に温室効果ガス実質ゼロの MDI を製品ポートフォリオに加えた。PU 断熱材を使用することで、4,000 万トン相当の CO2 を削減することができる。この MDI は、マスバランス方式による ISCC PLUS 認証がとれた有機廃棄物や残渣物から生成した前駆体を使用することにより、原料調達から製品出荷までの温室効果ガスを実質ゼロにする。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1647312663.pdf