2022年03月22日
早大、低温で効率よく二酸化炭素を再資源化
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 早稲田大学理工学術院の関根 泰教授らの研究グループは22日、コバルトとインジウムという元素を組み合わせた新規材料を用い、従来に比べて大幅に低温で効率よく二酸化炭素を再資源化することに成功したと発表した。

 2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて、二酸化炭素を容易に再資源化できる技術が期待されている。だが、二酸化炭素の再資源化には700度以上という高温な温度条件が必要であり、その条件を満たしても、反応を効率良く進めることは難しかった。

 自然エネルギーを作るために、大量の化石燃料が必要になるとすれば、その分無駄になる。

 今回研究グループは新規材料を用いて、従来よりも大幅に低温な400ー500度でも二酸化炭素の80%以上を反応させることに成功した。また、その際の反応速度も工業的な要求を十分に満たせるほどの速さ(材料1kgあたり1日に17.7キログラムの二酸化炭素を転換可能)を実現した。国内外で数多くの研究が行われているが、本研究成果は二酸化炭素の再資源化の社会実装に向けて進むきっかけになり得るといえる。

同研究成果は3月17日、英国王立化学会の「Chemical Communications」オンライン版に公開された。


早稲田大学関根教室ホームページ
https://yab.yomiuri.co.jp/adv/wol/research/kyoso_110628.html