2022年03月23日
AGC傘下の日本真空光学、「はやぶさ2」でJAXAから感謝状
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 AGCは22日、グループ会社である日本真空光学(本社:東京都千代田区、和田賢憲社長=OCJ)が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から、「はやぶさ2」に部材を供給し、ミッションの成功に貢献した企業として感謝状を授与されたと発表した。

 OCJ社は、「はやぶさ2」に搭載された小型着陸機「MASCOT(Mobile Asteroid Surface Scout)」に使用された赤外線ディテクタ用光学ウインドウを供給した。優れた熱耐久性や広帯域で低損失なARコート(反射防止膜)などの特徴を持ち、小惑星リュウグウの表面や鉱物を科学観測した赤外線ディテクタに使用された。

■赤外線ディテクタ用光学ウインドウについて
 「はやぶさ2」に搭載された「MASCOT」は、DLR(ドイツ航空宇宙センター)とCNES(フランス国立宇宙研究センター)によって開発された小型着陸機。2018年10月3日に「はやぶさ2」より分離し、6分間の自由落下で小惑星リュウグウに着地した。大きさ30 x 30 x 20cm(立方体)・重量10㎏程の「MASCOT」は自律してリュウグウ上を移動して、約17時間にわたり複数の場所で観測を行い、ミッションを成功させた。
 
 また「MASCOT」の底面には赤外分光顕微鏡「MicrOmega」が実装されており、0.9μm~3.5μmの赤外線で、表面の鉱物の種類や物性を調査した。「MicrOmega」にはLYNRED社製(https://lynred.com/)の赤外線ディテクタが使用されており、この赤外線ディテクタにOCJ社が製造した光学ウインドウが採用された。

 OCJ社の光学ウインドウは、熱サイクルに対する優れた耐久性と、0.9μm~3.5μmまでのブロードバンドにおいて反射率を抑制したARコーティングによりリュウグウ表面の撮像に寄与した。OCJ社が製造する光学ウインドウは、任意の波長帯域で、優れた熱耐久性、高い光透過性、高耐光性などの特徴を有し、また側面を含む外周部はパッケージ封止用の金属膜化が可能で、宇宙・大気計測・セキュリティなど幅広い分野に使用されている。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1647936766.pdf