2022年03月28日
日本ゼオン、QunaSys に資本参加、新材料開発 加速
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:日本ゼオン

 日本ゼオンは28日、量子コンピュータ用ソフトウェア開発を手掛けるベンチャー企業のQunaSys(本社:東京都文京区)と業務提携契約を締結したと発表した。同時に、第三者割当増資を引き受け、QunaSys 社に出資することにした。
 
 今回の提携を通じて日本ゼオンは、機械学習・自動実験・量子コンピュータ等の先進技術をいち早く材料開発に役立てる、先進的なデータマネジメントプラットフォームを構築し、既存・新規事業の研究開発を加速化させる。化学業界にとってこれまでにないビジネスモデル構築を目指す。

 量子コンピュータは、現在のスーパーコンピュータでは解決できない複雑な問題を、高速に解決できる可能性をもってる。特に材料シミュレーションでは、最も早く実益がもたらされる可能性が高いといわれており、高精度な電子状態計算が求められる光反応性材料や、触媒材料設計等への応用が期待されている。

 一方、これらの価値を最大限生かすためには、実験データや計算データを適切な形で蓄積し、材料設計に対して高速なフィードバックを可能とするような、先進的なデータマネジメントプラットフォームの構築が不可欠とされる。

 日本ゼオンは、これまでの材料開発の基盤や知見と、QunaSys 社が有する先進デジタル技術の知見を融合する
ことで、カーボンニュートラル等の大潮流から生まれる新たな材料ニーズに応え、社会課題解決を目指す。将来的には、両社が創出したデータマネジメントプラットフォームの外販などにも取り組む。