2002年03月13日
アルバック、真空蒸着不要の高分子有機EL
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:トッキ

 真空機器のアルバック(03-3562-0750)は高分子有機EL(エレクトロルミネッセンス)のデバイス(基板)をつくる際に必要なインクジェットプリンターなどディスプレーの生産について米ライトレックス社(カリフォルニア州)と包括提携したが、同プリンターは従来の真空蒸着法を使わない発光素などのプリンター技術で製造されるため、新たなプロセスへの挑戦となる。
 
 アルバックは液晶、低分子有機ELなどのパネル製造で真空法(蒸着)を用い、トッキと市場を二分してきた。しかしインクジェットプリンターを使う有機ELのパネルは真空法が不要になるほか、有機ELの三要素(発光素、陰極、陽極)を別々に組み立てるのではなく、発光素と陰極が一体化できるので、パネルの薄型化がはかれるという特徴がある。
 
 アルバックは同プリンターを組み込んだ高分子有機EL製造用の一貫装置を年内に生産、販売する予定。初年度10億円、3年後30億円の売り上げを見込んでいる。
 
 同社は低分子有機ELの製造装置をすでに生産しており、高分子を手がけることで全面的にこの分野に対応できる体制がととのった。
 
 なお、米ライトレックス社はインクジェットプリンターなどの特許をもつケンブリッジ・ディスプレー・テクノロジー(CDT)の子会社である。