2022年05月10日
北大、中川町の恐竜化石「新属新種」解明、命名も
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学総合博物館の小林快次教授、中川町エコミュージアムセンターの疋田吉識センター長らの研究グループは9日、2000年に北海道中川町の白亜紀後期カンパニアン期(約8,300万年前)の地層から発見された恐竜化石について、この恐竜化石が、マニラプトル類の中でも進化型のテリジノサウルス類(テリジノサウルス科)であることを明らかにするとともに、新属新種として「パラリテリジノサウルス・ジャポニクス(日本の海岸に棲むテリジノサウルスという意)」と命名したと発表した。

 テリジノサウルス類の爪(末節骨)の形について解析を行い、筋肉のつき具合と爪の先に力を加える効率がテリジノサウル類の進化の中で小さくなっていったことを明らかにした。特にパラリテリジノサウルスやテリジノサウルスは値が小さく、弱い力で熊手のように近くの枝をたぐり寄せて葉っぱを食べていたという可能性を明らかにした。

 パラリテリジノサウルスは、日本で発見されたテリジノサウルス類としては3例目で、日本では最も新しい時代のテリジノサウルス類の化石となる。パラリテリジノサウルスは、アジアの最東端の記録であり、海成層から発見されたテリジノサウル類としてアジア初の記録及び世界で2例目の記録となった。
 
 これらのことから日本にはテリジノサウルス類がより長い期間生息していたこと、アジアではテリジノサウルス類がより広い生息域を持っていたこと、そしてより多様な環境に適応していたことがわかった。同研究成果は5月3日にオンライン公開の「Scientific Reports」誌に掲載された。

ニュースリリース
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/220509_pr3.pdf