2022年05月11日
東北大、世界初・脱炭素技術で炭化ケイ素合成
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 東北大学大学院 工学研究科の福島潤助教(応用化学)、滝澤博胤教授らの研究グループは11日、カーボンリサイクル技術による廃棄物を原料にした炭化ケイ素(Sic)合成プロセスを開発したと発表した。

 原料に廃シリコンを用いることで、循環型社会の構築に貢献できる。石炭火力発電所から排出されるCO2を用いた研究を進め事業化検証を行っていく方針だ。

 二酸化炭素を資源として活用するカーボンリサイクル技術は、カーボンニュートラル社会を実現するためのキーテクノロジーとして位置づけられている。

 福島潤助教らは、世界初のカーボンリサイクル技術として開発した「CO2を炭素源にした炭化ケイ素を合成する技術」をシーズとして、CO2を炭素源とした産廃由来炭化ケイ素合成の検証研究を推進していく方針だ。

 同研究開発は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電技術推進事業/研究拠点におけるCO2有効利用技術開発・実証事業」(基礎研究エリア)委託事業に採択されて実施してきた。

 同技術により、産業廃棄物(シリコンスラッジ)から炭化ケイ素合成が可能になる。昨今の気候変動・循環型社会などの課題解決に貢献するため、カーボンリサイクル推進上の有力な技術として早期の普及拡大をめざす。

ニュースリリース
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220511_01web_recycle.pdf