2022年05月19日
北大、リズムに合わせて身体が動くしくみを解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

北海道大学医学研究科の田中真樹教授(神経生理学)らの研究グループは18日、リズムに合わせた同期運動に小脳が関わるメカニズムを解明したと発表した。リズムに合わせて身体が動くしくみを見つけた。

小脳が運動の予測制御に関与することはこれまでも知られていたが、詳しい神経機構はわかっていなかった。本研究では,周期的に交互に現れる標的に同期して眼球運動を行っている際に、標的が現れるタイミングの予測や、実際に行った同期運動の時間誤差に関連した活動を示す神経細胞が小脳の出力部に存在していることを明らかにした。

電気刺激による外乱を加えると運動のタイミングが変化したことから、小脳は、運動制御、標的の内部モデル、同期エラーに関した信号を上位の中枢に送ることで同期運動のタイミング調節を行っていると考えられる。

本研究成果は、小脳疾患の病態を理解して機能評価する方法の開発に役立つだけでなく、ニューロモジュレーションを用いた介入法の開発や、様々な情報処理に応用できる脳型回路による予測アルゴリズムの開発などに貢献することが期待される。

なお同研究成果は5月6日公開の「Nature Communications」誌に掲載された。

ニュースリリース
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/220518_pr2.pdf