2022年05月24日
名大など、人間の吐く息で個人認証の方法開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:なし

 名古屋大学工学研究科の馬場嘉信教授をはじめ東京大学、九州大学、パナソニックなどによる共同研究グループは23日、生体呼気から得られる化学情報に基づく個人認証の原理実証に成功したと発表した。人間の吐く息で個人認証できる技術を発表した。

 研究では、16種類の高分子材料と導電性カーボンナノ粒子で構成される人工嗅覚センサを介して呼気センシングを行い、得られたデータ群を人工知能による機械学習を通して分析することで20人の個人認証を97%以上の高精度で達成した。
 
 指紋、掌紋、顔、虹彩、網膜、指静脈、耳音響、声紋など、これまでの物理的な情報に基づく認証技術では、外傷などの身体的特徴の変化により認証ができなくなったり、情報が偽造された場合に長期的ななりすましが発生するリスクがあった。
 
 これらの方法と比べて、膨大な種類の呼気分子群を通して得られる化学情報を利用する方法は、情報の偽造や窃取した情報による長期的ななりすましが極めて困難であることから、高いセキュリティの生体認証技術の実現に繋がると期待できる。

ニュースリリース参照
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/upload/20220520_engg.pdf