2022年05月25日
北大、ゲノム解析を利用した膵癌予後予測モデル 作成
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学医学院消化器外科の平野 聡教授らの研究グループは24日、旭川医科大学、東北大学などと共同で膵癌のゲノムデータを解析し、臨床データと集約することで、膵癌の外科切除後の新しい予後予測モデルを作成したと発表した。

 研究グループは、膵癌術後長期生存例32例と術後早期再発死亡例34例のゲノム解析により変異データを集約し、臨床データを含めて比較検討した。その結果、がん抑制遺伝子TP53の変異形式が予後に関連する可能性があることが示された。
 
 同変異形式とSMAD4変異の有無に加え、腫瘍マーカー(CA19-9)の値を用いた新規の予後予測モデルを作成した。
 さらに計21例の膵癌術後検体を使用することで、同モデルの有効性が示された。

 本研究結果をもとに、今後は膵癌診断時に採取される組織のゲノム解析の結果と採血結果を用い、手術や化学療法などの治療選択に貢献することが期待される。

同研究の成果は4月10日公開の「Annals of Surgical Oncology」誌に掲載された。

ニュースリリース
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/220524_pr4.pdf