2022年05月31日
住化、米社と微生物系カーボンネガティブ樹脂 共同開発
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学は31日、米国ニューライトテクノロジーズ社(本社:カリフォルニア州)と共同で、メタンを原料に微生物によって生産されるカーボンネガティブな樹脂を用いた自動車・繊維向けポリプロピレン(PP)コンパウンドの開発に着手したと発表した。

 メタンは、二酸化炭素(CO2)の約 25 倍の温室効果があるとされ、国連でも排出量削減を目指す国際的な枠組み(COP26)が発足するなど、重要な課題となっている。

 ニューライト社は、メタン資化菌を活用した独自の研究により、世界で初めてメタンを炭素源とした樹脂(製品名:AirCarbon)の開発に成功している。AirCarbonは、製造時の電力に再生エネを用いた場合、製品カーボンフットプリントが大きく減少すると認定されている。同社は20年に同樹脂の商業用プラントを世界で初めて稼働させ販売展開中だ。

 今回の共同開発で、ニューライトテクノロジーズ社は、炭鉱や農業・産業廃棄物から回収したメタンを用い、自動車向けと繊維向け用途に適した AirCarbon の開発を行う。
 
 住友化学は、ニューライト社が開発する樹脂と PPなどを混練することで環境負荷の低い自動車のバンパーや内装材に加え、従来のPP コンパウンドでは難しかった染色が可能な繊維向け材料の開発を進める。両社は、互いの技術を融合して生み出した製品をさまざまな産業分野に提供することで、カーボンニュートラル社会の実現への貢献を目指す。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1653967413.pdf