2022年06月07日
東工大「DNA 液滴コンピュータ」開発に成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京工業大学

 東京工業大学 情報理工学院の瀧ノ上正浩教授らの研究グループは6日、がんバイオマーカーであるマイクロRNA(miRNA)を検出するDNA液滴コンピュータの開発に成功したと発表した。

 細胞内ではさまざまな生体分子液滴が形成され、生命現象を制御している。高分子液滴の中でも、DNA 液滴と呼ばれる、プログラム可能な相分離液滴は近年報告されていた。しかし、その現象を実際に応用し、バイオセンシングと分子コンピューティングを組み合わせた生体分子液滴の構築はできていなかった。
 
 本研究によって、バイオセンシングと分子コンピューティングの機能を組み込んだDNA液滴が、乳がんの可能性を示すmiRNAの組み合わせを認識できることを実証した。

 今回開発されたDNA液滴コンピュータは、がん診断、薬剤耐性解析、薬物送達などへの応用が期待できる。さらに、人工細胞や自律型分子ロボットの構築などにも貢献できると期待される。

 同研究成果は科学誌「Advanced Functional Materials」(5月12日付)オンライン版で公開された。