2022年06月22日

三井化学、22年触媒科学賞にミシガン大学教授

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三井化学は22日、世界の触媒科学分野で特に優れた業績をあげた研究者を表彰する、2022年「三井化学 触媒科学賞」を米国ミシガン大学の Melanie S. Sanford 教授に贈ると発表した。同奨励賞は、コーネル大学准教授のTodd K. Hyster 博士と、ケンブリッジ大学准教授の Robert J. Phipps 博士の両氏に決った。同社の「触媒科学賞」表彰は今回で9回目。授賞式と記念講演は22年秋実施予定。 ■三井化学 触媒科学賞 受賞者 ▽氏名　Melanie S. Sanford 氏（ ミシガン大学 教授 ） ▽タイトル　： Developing late transition metal catalyzed reactions for carbon-carbon and carbon-heteroatom bond formation ▽選考理由　： Melanie S. Sanford 博士は、C-H 結合官能基化反応のための後期遷移金属触媒の開発にいち早く着手し、この分野の研究に大きな影響を与えた。また、フッ素化および放射性フッ素化反応のためのパラジウムおよび銅触媒を開発し、これらの反応における反応機構に関して精力的に研究を展開した。さらに、塩基を用いないクロスカップリング反応として脱カルボニルクロスカップリング反応に着目し、独創性の高いニッケルおよびパラジウム触媒を開発した。 ■三井化学 触媒科学奨励賞 受賞者 ▽氏名　Todd K. Hyster 氏（ コーネル大学准教授 ） ▽タイトル　Photoenzymatic catalysis in organic synthesis ▽選考理由　：酵素の活性サイトにおいて補酵素の可視光活性化を巧みに組み合わせる事でラジカル不斉合成を高効率で達成する新しい生体触媒法を開発し、有機化学と生物化学を融合させた新領域を開拓した。最近では分 子内 C-C 結合形成による不斉環化反応や分子間カップリングによる新規化合物の合成にも成功するなど、高い期待がもたれている。 ▽氏名　Robert J. Phipps 氏（ ケンブリッジ大学准教授 ） ▽タイトル　：Development of novel strategies for selectivity control in catalytic reactions ▽選考理由　：遷移金属触媒と基質間のイオンペアリング相互作用を鍵とする反応設計により、メタ位やパラ位選択的な C-H 活性化反応やクロスカップリング反応を開発し、不斉 C-H 活性化反応にも展開している。さらにイオンペアリング戦略を用いてラジカル反応のエナンチオ制御にも成功し、その合成化学的有用性を示した。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1655871513.pdf Winners of the 2022 Mitsui Chemicals Catalysis Science Awards https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file3_1655871513.pdf