2022年07月14日
京大、オミクロンなど全ての変異株に有効な抗体創出
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 京都大学医学研究科の高折晃史教授をはじめ大阪大学、横浜市立大学、東京大学の共同研究グループは14日、新型コロナウイルスの「懸念される変異株(VOC:variant of concern)」である「オミクロン株(B.1.1.529, BA系統)」を含む全ての変異株に対して、これまで使用されてきたどの治療用抗体製剤よりも中和活性が高いナノボディ抗体を創出したと発表した。
 
 さらに、クライオ電子顕微鏡を用いた立体構造解析から、これらのナノボディ抗体は新型コロナウイルス表面に存在するスパイクタンパク質の深い溝をエピトープにしていることが示された。このエピトープはヒトの抗体が到達できない部分であり、ウイルスの変異がほとんど見られない領域。また、これらのナノボディ抗体は新型コロナウイルスへの結合力が極めて強く、環境安定性も高いため、下水などの環境中のウイルスを濃縮し、検出する用途にも応用することができる。
 本研究成果は7月6日に、科学雑誌「Communications Biology」にオンライン掲載された。

<用語の解説>
◆ナノボディ抗体 :別名 VHH 抗体。ラクダ科の動物(アルパカなど)とサメ科の動物が持つ重鎖のみからなる特殊な抗体。ヒトや他の動物の抗体は、重鎖と軽鎖からなるより複雑で大きな分子となっている。
◆エピトープ :抗体が結合する生体分子のある特定の部位。エピトープが変異したウイルスは、抗体による免疫系を逃れることができる。

ニュースリリース
https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2022-07/220714_takaori-c90d0dc882ca0c34d800bc5045f50f4b.pdf