2022年07月26日
岐阜大、約15分で自己修復するエラストマーを実現
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:その他大学

 岐阜大学 工学部の三輪洋平教授らの研究グループは25日、フライパンの表面コートなどに利用されているフッ素成分をポリマーに少量付加した場合、フッ素成分がポリマーにはじかれて集まる性質に着目し、新しいタイプのエラストマーを開発したと発表した。

 このエラストマーは、フッ素成分がはじかれて集まることで、ポリマーを物理的に架橋する。さらに、このエラストマーは、切断した傷口が自己修復により瞬時に接合し15分程度で元通りに回復する。
 
 一方で、フッ素成分のエラストマーの表面を覆って保護する効果により、切断した傷口同士以外ではエラストマーの接合は起こらない。また、フッ素成分にはテフロンとの親和性を高める効果もあり、そのため、このエラストマーを利用することで、一般的には接着が困難なテフロンを強く接着できることも今回明らかにした。

 このエラストマーは優れたパフォーマンスを示す一方で、合成が容易なことから、電気製品や雑貨のコーティング材料などへの実用化が期待される。
本研究成果は7月25日、「Scientific Reports」誌のオンライン版に発表された。

ニュースリリース
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20220725/pdf/20220725.pdf