2022年08月10日
横浜ゴム、AI技術活用のゴム配合設計システム開発
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:横浜ゴム

 横浜ゴムは10日、AIによる配合生成技術を活用したゴムの配合設計システムを独自に開発し、実用を開始したと発表した。情報システム開発子会社のハマゴムエイコムの協力を得た。これにより人が考え付かなかった配合など、新たな知見を得ることができ、開発のさらなるスピードアップやより高性能な商品の開発が期待できるとしている。

 今回のシステムは同社のAI利活用構想「HAICoLab(ハイコラボ)」を推進するために開発された。従来の配合物性値予測システムではゴムの配合設計パラメーターを入力するとAIが予測される配合物性値を出力するプロセスだったのに対し、配合物性値を指定するとAIが候補となる配合を生成し目標物性値を満たすゴムの配合を提案することが可能になった。
 
 AIは数万件ものゴムの配合を学習しており、100種類以上の配合剤を組み合わせて候補となる配合を生成。その上で生成した配合の予測物性値と目標物性値とを比較しながら要求された配合を提案する。さらに、基準とする配合や用いたい配合剤の指定のほか、特定の配合を選択しその周辺で配合データを生成することも可能で、人とAIが協奏しながら新たな知見が得られるシステム設計とした。

 今後は全社的にAI利活用を推進し、ユーザーエクスペリエンスの向上および内閣府が提唱するAIやIoTなどの革新技術により実現する新たな未来社会の姿「Society 5.0」の実現に貢献していく方針だ。

<用語の解説>
◆「HAICoLab(ハイコラボ)」とは:Humans and AI collaborate for digital innovationをもとにした造語で、人とAIとの共同研究所という意味合いも込めた。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1660105699.pdf